昔々あるフランスに一人の怪盗がおったとな。
怪盗の名前はキッド(本名 黒羽快斗)、伝説の怪盗ルパンにあこがれる少年怪盗だ。 キッドは、ルパンのモットー「憎まず殺さず許しましょう」を大事にし、 盗みをはたらくときでも決して他人を傷つけませんでした。
またキッドはフランスのエスプリの名に恥じず華麗な演出で盗みます。
彼が行動を興すのは真っ暗な新月ではなく、月の光がやや差す三日月の頃、ほの明るい月光の中を、大きな三角形の凧に乗って空を舞い、堂々と獲物を盗み出します。
見世物好きなフランスっ子は、三日月の夜になると街へ出て空を見上げます。
カフェーでは、見物客をあてこんで、キッドにちなんだお土産を売り出すところもあらわれました。
そのとき生まれた、三角形の凧のお土産を、後に伝記で明らかになったキッドの本名にちなんで、カイトと呼ぶようになりました。皆さんがお正月に上げて楽しむおもちゃですね。
そして、キッドの現れる日の三日月を模したパンを、「黒羽さん」と呼ぶようになりました。
これがクロワッサンのはじまりです。