さて、高天原から天下ったイザナギとイザナミの夫婦は、オノゴロ島に寝室をたてた。
イザナギがイザナミに、「ナミー、君の身体はどうなってる?」と聞くと、イザナミは「ナギー、私の身体はできあがってきたけれど、まだ足りない部分があるの‥‥」と、ほほを赤くして答えた。イザナギは「僕には余ってしまった部分があるから、それを君の足りない部分に入れて補って、国産みをしよう」と提案した。
ロールプレイ好きの二人は新鮮味をだすために、天の御柱をまわって「ああ、なんていい女なんだ」「ああ、なんていい男なの」と初めて会ったような演技をして気分を盛り上げる。
そして、その日、二人は結ばれた。
ほどなくイザナギは元気な赤子を産む。
まず淡路島がでてきた。そして四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、最後に本州が生まれた。これが今の美しい日本の国である。
そして、あのとき使っていたシーツが、美しい日本の国旗となったのである。
<中学校歴史副読本「我が国の成り立ち」より>