真っ白なシーツの波に漂いながら彼女はつぶやいた。 「…あなたって馬みたいね。それも元気なく・ろ・う・ま」 にやっと笑いながら、彼女は煙草をくわえ、けむりを彼に向けて、ふうっと吹きかけた。 外国産の煙草なのだろうか、少し赤味がかった煙草のけむりは彼の形を確かめるようにまとわりつき、彼をあたたかく包み込んだ。 それが今の馬頭星雲の始まりである。 そう、だから男はいつまでも、女という銀河に浮かぶダークマター(馬の頭型)なのだよ。