女と男 (1)

[Last up date: 13/04/01]
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真っ白なシーツの波に漂いながら彼女はつぶやいた。


「…あなたって小さいのね」


彼女の冷静な観察に俺は動揺した。俺の動揺はシーツの波に伝わり空間がゆらぐ。そのゆらぎすら彼女に観察されて、
波動関数が収束し、俺は1つのクォークとなっていた。

自分が0.000000000000001mm未満であることをあからさまにされた俺は赤面し、体表面の温度が激しく上昇するのを
感じる。逆上した俺は感情のすべてを彼女に向けて爆発させていた。






…それが158億年前のビッグバンだったんだ。それからのことは君たちのほうが良く知ってるだろう。


そう、だから…だから男はいつまでも、女というディラックの海に浮かぶボトムクォーク(+3/2左スピン)なのだよ。



     【設問】現在の宇宙背景放射2.735°Kから、「俺」の体温の最高温度を求めよ。(配点:20点)



【初出】嘘競演第32回 お題 「子馬的闘歌只大」#23 [2005/01/09(Sun) 15:55]
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