羅列の呂律
[Last up date: 12/06/19]
五と七とのリズムに惑わされて書き散らした端もの。
俳句
- 春
- めでたいは今年も梅のほころびる[NEW]
- うららかや 学生係という 車掌
- 花吹雪 喪服の群のたちどまる
- 夏
- にわか雨蒸籠に水を注す如く[NEW]
- 扇風機 去年の埃を 撒き散らし
- 鬼百合の ゆうらりゆれる 馬場の跡
- 秋
- 冬
- 時雨は西に 俺は南に かけぬける
- あおさぎの すっと立ち居る ふゆみず田
- 越後吟行 2001.04.29
- 声明か 蜂の羽音か 山開き
- 代掻きの泥の香かおる 国上路
- 泥の香や 田に一面の 水鏡
- キンツバを はむとほおばり 遠雲雀
短歌
- 秋
- 夜半過ぎて 老いたる蝉の声弱り 明るむころに コオロギの鳴く
都々逸
- 夏
- 急にふられて あわててぬいて 徒(あだ)に濡れてる 一人傘
- 汗をかきかき 肩よせあって ぐっと押し込む スクラムよ
- 何処へはねるか 解らぬ方を 一生懸命 追い掛ける
- 夜になっても 鳴く蝉たちよ あした死ぬやら 死なぬやら
- 入れてくりゃんせと お願いされて サして濡れるが 傘のサガ
- 春
- 冬
- ずいぶん秋だと報せた跡よ桐の落葉の敷き詰まる
- 鹿の声さえ聞こえるような静けさのなかで こたつ寝す
- 炭が薬罐の下から中へ 出世したやらしないやら
- 秋
- 独り暮しにゃ 盆が来たって 訪ねる人も 霊もなし
- 老い蝉騒ぎも 夜半に静まり コオロギの音で 明くる朝
- 月に見立てて 街燈見あげ 騒音の陰に 虫の声